所得税
空室と空家の減価償却について
(更新 )
賃貸経営をしていると、どうしても空室や空き家の期間ができます。入居者がいない間の建物の減価償却費は、必要経費にできるのでしょうか。
この記事のポイント
- 空室・空き家の期間でも、「いつでも貸せる状態」であれば減価償却費を計上できます。
- 退去後のクリーニング中など、一時的に貸せない期間があっても問題ありません。
- 入居者の募集を続けていることを、記録に残しておくと安心です。
判断のポイントは「いつでも貸せる状態か」
空室や空き家の期間に減価償却費を計上できるかどうかは、その部屋や家がいつでも貸せる状態にあるかどうかで判断します。
所得税基本通達2-16(現に稼働していない資産)
不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供される令第6条(減価償却資産の範囲)に規定する資産は、現に稼働していない場合であっても、これらの業務の用に供するために維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるときは、減価償却資産に該当する。
社長
前の入居者が退去して、ハウスクリーニングをしている間は貸せません。その期間は減価償却できないのですか?
税理士
そこまで厳しいものではありません。次の入居者に貸すための維持管理で、一時的に貸せない期間があっても、減価償却は認められます。
問題になるのは、退去後に原状回復もせず、入居者の募集もしていない、といった場合です。
募集の広告は必ず必要?
通達には「募集をしていること」とは書かれていません。募集の状況は、「いつでも貸せる状態」であることを客観的に示すためのものなので、不動産会社に広告を出すことが必須というわけではありません。
広告費をかけたくない場合は、建物に「〇〇号室 入居者募集中」といった看板を掲げ、スマートフォンで定期的に写真を撮っておく、といった方法でも、募集を続けていたことを示す記録になります。
まとめ
空室や空き家の期間でも、次の状態であれば、減価償却費を必要経費にできます。
- その部屋や家の維持管理が行われていること
- 入居者の募集を続けていること(記録を残しておくと安心)
※記事の内容は、更新日時点の法令にもとづいています。実際の判断は、個別の状況によって変わることがあります。