所得税

日当について、よくあるギモン

(更新 )

出張のときに支給する「日当」は、一定の範囲であれば、受け取った人に所得税がかからない便利な制度です。この記事では、日当についてよくいただくご質問にお答えします。日当の基本は「日当って、何で非課税なの?」、金額の目安は「日当の支給。いくら位が妥当か。」で解説しています。

この記事のポイント

  • 社長ひとりの会社でも、出張旅費規程にもとづけば日当を支給できます。
  • 個人事業主は、自分に日当を支給することはできません。
  • 毎月定額で支給すると、給与として課税されてしまいます。

社長ひとりの会社でも支給できる?

従業員がいない社長ひとりの会社でも、出張旅費規程を作り、その規程にもとづいて支給するのであれば、日当を支給できると考えられています。規程は、将来従業員を雇うことも見すえて、役職ごとに支給額を決めておくとよいでしょう。

個人事業主でも、自分に日当を払える?

個人事業主は、自分に日当を支給することはできません。日当が非課税になるのは、所得税法で「給与所得を有する者」が出張した場合とされているからです。会社の社長は役員報酬(給与所得)を受け取っているので対象になりますが、個人事業主の所得は事業所得なので、対象になりません。

所得税法 第9条第1項第4号(非課税所得)

給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし(中略)た場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの

実際に出張しているのが社長だけでも大丈夫?

出張旅費規程で、全員が日当を受け取れるようになっていれば、結果的に出張したのが社長だけでも、日当を受け取って問題ありません。

毎月定額で支給してもよい?

社長

出張のたびに日当を計算するのが面倒なので、毎月10万円のように定額で支給することはできませんか?

税理士

それはできません。定額で支給すると、出張の実費を精算するものではなく、ふつうの給与と同じになってしまうので、非課税にはなりません。面倒でも、出張の日数に応じて計算して支給しましょう。

すでに定額で支給してしまっている場合

  • 受け取った人:非課税にならないので、所得税・住民税がかかります。
  • 会社(従業員の場合):給与として損金になります。
  • 会社(役員の場合):役員への給与として扱われ、定期同額給与などの要件を満たさないと損金になりません。ただ、事業年度を通じて同じ金額を支給し続けていれば、定期同額給与として損金になる可能性はあります(「定期同額給与の否認リスク対策」参照)。
  • 消費税:給与の扱いになるので、課税仕入れにはなりません。

日当を支払ったときの経理処理

日当は、交通費や宿泊費とあわせて「旅費交通費」で処理するのが一般的です。日当の金額を別に管理したい場合は、補助科目や、freee会計なら「品目」を設定しておくと便利です。

例:出張旅費5万円を支払った場合

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 50,000 現金預金 50,000

仮払いをした場合

出張前に5万円を仮払いし、出張後に精算する場合は、次のように処理します。

場面 借方 貸方
仮払いしたとき 仮払金 50,000 現金預金 50,000
精算(実際は6万円かかった) 旅費交通費 60,000 仮払金 50,000
現金預金 10,000
精算(実際は4万円だった) 旅費交通費 40,000
現金預金 10,000
仮払金 50,000

日当に消費税はかかる?

国内の出張で支給する日当は、通常必要な範囲であれば、消費税の課税仕入れとして扱われます。海外出張の日当は、原則として課税仕入れになりません。

消費税法基本通達11-2-1(出張旅費、宿泊費、日当等)より(抜粋)

事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。

(注)2 海外出張のために支給する旅費、宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。

なお、インボイス制度のもとでも、従業員などに支給する通常必要な出張旅費や日当は、一定の事項を帳簿に記載すれば、インボイスがなくても仕入税額控除ができます(出張旅費等特例)。

※記事の内容は、更新日時点の法令にもとづいています。実際の判断は、個別の状況によって変わることがあります。