所得税
法人と個人で違う家賃収入の計上時期
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アパートやマンションの賃貸経営をされている方に向けて、「家賃収入は、いつの収入として計上するのか」を解説します。実は、個人と法人とでは、計上する時期が異なります。
この記事のポイント
- 個人は、原則として「契約で決められた支払日」に計上します。
- 法人は、原則として「貸している期間の経過に応じて」計上します。
- 入金がなくても、支払日が来れば収入として計上が必要です。
個人の場合
原則は「契約で決められた支払日」
個人の場合、家賃収入を計上するのは、原則として契約で決められた支払日です。
たとえば賃貸借契約書に「乙は毎月末日までに、翌月分を甲の指定する口座に支払う」と書かれている場合、5月分の家賃の支払日は4月30日です。そのため、5月分の家賃収入は4月30日に計上します。
ということは、翌年1月分の家賃は、今年12月の収入になるのですか?
そのとおりです。確定申告では、翌年1月分の家賃までを今年の収入に含めます。
その代わり、今年の1月分の家賃は去年の収入に入っているので、今年は含めません。
支払日が決まっていなければ「受け取った日」
口約束で貸しているなど、支払日が決まっていない場合は、実際に家賃を受け取った日に計上します。「請求があったら支払う」という約束であれば、請求した日です。
「入金がないから計上しない」は間違い
契約書に支払日が書かれている場合は、入金がなくても、その支払日に収入として計上します。滞納が長引くと、お金は入っていないのに税金はかかるので、資金繰りにも響きます。
どうしても回収できなくなった家賃の扱いは、「回収不能となった家賃の税務上の取扱い」で解説しています。
所得税基本通達36-5(不動産所得の総収入金額の収入すべき時期)
不動産所得の総収入金額の収入すべき時期は、別段の定めのある場合を除き、それぞれ次に掲げる日によるものとする。
(1) 契約又は慣習により支払日が定められているものについてはその支払日、支払日が定められていないものについてはその支払を受けた日(請求があったときに支払うべきものとされているものについては、その請求の日)
法人の場合
原則は「貸している期間に応じて」
法人の場合は扱いが異なり、原則として、貸している期間の経過に応じて収益に計上します。
先ほどの例でいうと、4月30日に受け取った5月分の家賃は「前受家賃」となり、4月の時点ではまだ収益になりません。5月になってはじめて収益に計上します。個人と法人とで、計上する月が1か月ずれることになります。
どうして、個人と法人で違うのでしょうか?
個人で賃貸経営をされている方の多くは、会計の専門知識をお持ちではありません。会計の原則どおりに帳簿をつけるのは負担が大きいため、わかりやすい「支払日」を基準にしている、というのが理由のひとつです。
なお、個人でもきちんと帳簿をつけていれば、法人と同じように期間に応じて計上することもできます。ただし、不動産所得が事業的規模かどうかで扱いが少し変わります。くわしくは「家賃を前受処理した場合の収入計上時期」で解説しています。
まとめ
| 個人 | 法人 | |
|---|---|---|
| 計上する時期 | 契約で決められた支払日 | 貸している期間の経過に応じて |
| 例:5月分の家賃を4月30日に受け取った | 4月の収入 | 5月の収益(4月の時点では前受家賃) |
※記事の内容は、更新日時点の法令にもとづいています。実際の判断は、個別の状況によって変わることがあります。