今回は、法人税の中間申告制度について
前期実績による中間申告と仮決算による中間申告の違いは?
中間申告をしなかったらどうなる?
前期実績と仮決算のメリット・デメリットは?
などについてご説明させていただきます。
目次
法人税の中間申告って?
対象者は?
逆に言えば、10万円以下であれば中間申告はする必要がございません。
前期に確定した法人税額÷前事業年度の月数×6
例1)前期の法人税30万円 前事業年度12ヶ月
30万円÷12ヶ月×6=15万円>10万円 ∴中間申告必要
例2)前期の法人税額18万 前事業年度12ヶ月
18万円÷12ヶ月×6=9万円≦10万円 ∴中間申告不要
例3)前期の法人税15万 前事業年度7ヶ月
15万÷7ヶ月×6=128,571円>10万円 ∴中間申告必要
いくら納税するの?
前期に確定した法人税額÷前事業年度の月数×6
税務署の場合、既に印字されていますので、納付税額を自分で計算しなくて済みます。
いつまでに申告するの?
中間申告対象期間は、6/1~11/30までとなり、その翌日(12/1)から2ヶ月以内なので1/31までに申告する必要があります。
地方税は?
申告しなかったらどうなるの?
こんなことやらないで1年分決算の時に申告して納税すればいいんじゃないのか?
これ、申告しなかったらどうなる?
ただ、中間申告をしなかった場合でも、中間申告をしたものとみなされてしまうんですよー。
法人税法第73条 (中間申告書の提出がない場合の特例)
中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第71条第1項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項) に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。
なので、決算でまとめて払うというのはできないんですよ。
それだったら申告しなくていいんじゃないの?
中間申告には、前期実績による中間申告(簡単にいうと前期の法人税の半分を納める)と仮決算による中間申告の2種類があって、会社がその時の資金繰りなどを考慮してどちらも選べるのですが、何も申告がなければ前期実績による中間申告書の提出があったものとされてしまいます。
仮決算による中間申告とは?
どんなとき利用するの?
そんなとき前期の実績に基づいて機械的に納税義務が生じちゃうのは会社としても困るからか。
仮決算で多め払っといたらいけないの?
前は良かったんですけど、今はダメなんですよねー。
税務署に早めに多く払っているんだから、税務署にとっても良いことじゃないの?
早く多めに払うんだから税務署にとっても良いことなんじゃないのか?
計算の結果、税額が0円となった場合申告しなくていいの?
あくまでも申告する義務があるかどうかの判定は、
前期に確定した法人税額÷前事業年度の月数×6
で行いますので、仮決算で計算した結果、
税額が0円になったとしても期限までに申告する必要があります。
0なんだから申告しなくたっていーじゃねーか。
メリットは?デメリットは?
前期実績 | 仮決算 | |
メリット | ・手続きが楽 | ・業績が悪い場合には一時的に資金繰りが助かる。 |
デメリット | ・業績が悪いのに仮決算をしなかった場合、前期実績で税額が確定してしまう。 | ・通常の決算と同じようにするので税理士事務所に追加の費用が必要になる。 |
おわりに
前期業績が良かったのに今期の業績が厳しい場合、仮決算による中間申告の利用を検討すべきかと思います。
ただ、仮決算による中間申告は通常の決算と殆ど変わらない手続きですので時間が掛かります。
税理士事務所に直前になって仮決算による中間申告をお願いしても、日程的に間に合わないということはあり得ると思いますので、仮決算による中間申告を利用される場合には、早めに税理士事務所に相談されることをオススメします。