今回は、社葬についての税務上の取り扱いについて、全額損金になるのか、全額損金にならない場合どこまでが損金になるのか、香典収入の取り扱いは?などについてご説明させていただきます。

社葬とは?

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小林税理士
一般的に社葬とは、会社の創業者や会社の発展に貢献した役員や従業員、業務中の事故で死亡した従業員などに対して企業を挙げて行われる葬儀のことをいいます。
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小林税理士
なので、葬儀を運営する施主は会社、喪主は遺族ということになります。
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社長
「合同葬」なんていうのもよく聞くけど、あれも社葬なのか?
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小林税理士
合同葬は、施主が遺族と会社で共同して行うことで、中小企業だと、合同葬が多いような感じがします。
社葬個人葬合同葬
施主会社遺族会社・遺族
喪主遺族遺族遺族

葬儀費用は全額会社負担?

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社長
社葬の場合、施主が会社ってことは葬儀費用は全額会社負担なのか?
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小林税理士
いえ、あくまでも社会通念上、会社が負担することが妥当な金額に限ります。

法人税基本通達9-7-19(社葬費用)
 法人が、その役員又は使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができるものとする。(昭55直法2-15追加)

社葬のために通常要すると認められる部分

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社長
「社葬のために通常要すると認められる部分」って、どんなのがある?
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小林税理士
そうですね、一般的には以下のようなものが入ると思います。
社葬のために通常要すると認められる部分

・火葬、納骨などの費用
・遺体の引き取りや運搬に要した費用
・葬儀場の会場費
・参列者の飲食費
・案内状などの広告費       など

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社長
墓地やお墓の購入費はさすがにダメか?
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小林税理士
ダメですね。
他にも、以下のようなものは社葬として認められません。
社葬費用として認められない費用

・墓地、墓石の購入費
・戒名料
・香典返戻費用
・初七日法要費用
・社葬とは別に家族だけで行う密葬費用   など

遺族が負担すべきものを会社が負担したら?

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社長
会社が戒名料や香典返戻費用なんかも負担したら、やっぱり課税されたりするのか?
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小林税理士
本来遺族が負担すべきものを会社が負担したということは、会社から利益を受けていることになるので、遺族がその会社の役員又は従業員であれば給与所得に、そうでなければ一時所得となります。

香典収入は誰のもの?

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社長
でも、社葬をやっちゃうと香典なんかは会社がもらわなきゃいけないんじゃないか?
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小林税理士
いえ、そんなことないですよ。
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社長
費用の大部分を負担しててもか?
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小林税理士
ええ、先ほどの通達には続きがありまして遺族の収入としていいんです。

 法人税基本通達9-7-19(社葬費用)
 法人が、その役員又は使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができるものとする。(昭55直法2-15追加)
 (注)会葬者が持参した香典等を法人の収入としないで遺族の収入としたときは、これを認める。

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社長
おお!でもこれ会社からの給与とかになったりしないよな?
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小林税理士
ええ、会社から頂いたものではなく、参列者から頂いたものなので。
それに、香典は非課税になります。

社葬規定は必要か?

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社長
でも社葬って、社葬規程とかないとダメなんだろ?
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小林税理士
先ほどの通達には、社葬規定があることは損金算入の要件になっていませんので、なくても大丈夫です。
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小林税理士
ただ、規程を定めておかないと「誰が対象になるのか」「どこまで費用負担するのか」などが不明確になってしまうので、出来ればあったほうが良いです。

相続税のことも考える

今回は、社葬費用についての税務上の取り扱いについてお話させていただきました。

今回の話は法人税のことですが、相続税では葬儀費用は亡くなられた方の遺産から相続人が負担した葬儀費用を差し引けるようになっています。

葬儀費用を節税として考えた場合、社葬として法人の損金で落とすのか、個人で負担して相続税の葬式費用とするのか、どちらが有利か検討してみることも必要です。