所得税
不動産購入に際しての各種税金の取り扱い
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賃貸アパートなどの不動産を買ったときには、不動産取得税や登録免許税、それに「未経過固定資産税」などの税金を支払います。これらが必要経費になるのか、不動産の取得価額に含めるのかを解説します。
この記事のポイント
- 賃貸用の不動産の不動産取得税・登録免許税は、支払った年の必要経費にできます。
- 自宅など、事業に使わない不動産の場合は、取得費に含めます。
- 売主に支払う「未経過固定資産税」は税金ではないので、取得価額に含めます。
不動産取得税・登録免許税
賃貸用(業務用)の不動産の場合
賃貸用の不動産を買ったときに支払う不動産取得税と、登記のときの登録免許税は、支払った年の必要経費にできます。
仲介手数料は取得価額に含めると聞きました。同じように、買うためにかかった費用なのに、税金は必要経費になるのですか?
はい、税金は扱いが違います。業務に使う資産にかかる固定資産税や不動産取得税、登録免許税などは、必要経費にできると通達で定められています。
所得税基本通達37-5(固定資産税等の必要経費算入)
業務の用に供される資産に係る固定資産税、登録免許税(登録に要する費用を含み、その資産の取得価額に算入されるものを除く。)、不動産取得税、(中略)事業所税等は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する。
一方、仲介手数料のほか、次のような費用は、不動産の取得価額に含めます(仲介手数料の扱いは「不動産購入の際の仲介手数料の取り扱い」で解説しています)。
- 仲介手数料
- 立退料
- 建物の設計料、建築確認の申請費用
- 地質調査の費用
- 地鎮祭の費用 など
ざっくりいうと、「税金は必要経費、それ以外の付随費用は取得価額」と覚えておくとよいでしょう(土地の測量費など、一部例外もあります)。
自宅など(非業務用)の不動産の場合
自宅として住むために買った不動産など、業務に使わない不動産の場合は、不動産取得税や登録免許税は、その不動産の取得費に含めます。
所得税基本通達38-9(非業務用の固定資産に係る登録免許税等)
固定資産(業務の用に供されるものを除く。以下この項において同じ。)に係る登録免許税(登録に要する費用を含む。)、不動産取得税等固定資産の取得に伴い納付することとなる租税公課は、当該固定資産の取得費に算入する。
取得費は、将来その不動産を売ったときに、売却益の計算で差し引けるものです。不動産取得税や登記費用の領収書は、売るときまで大切に保管しておきましょう。
未経過固定資産税
買主側の扱い
不動産の売買では、その年の固定資産税を、引渡しの日までは売主、引渡しの日以後は買主が負担する、という取り決めをするのが一般的です。このとき、買主が売主に支払う、引渡し日以後の分の固定資産税相当額を「未経過固定資産税」といいます。
固定資産税なのだから、支払った年の必要経費になるのではないですか?
名前は固定資産税ですが、税金そのものではありません。固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者が納める税金です。年の途中で買った買主は、その年の固定資産税を納める義務がないので、売主に支払う分は税金ではなく、売買代金の一部という扱いになります。
そのため、未経過固定資産税は必要経費にならず、不動産の取得価額に含めます。業務用でも自宅用でも同じです。国税不服審判所の裁決でも、取得価額に含めるべきだと判断されています。
国税不服審判所 平成25年8月30日裁決(要旨・抜粋)
固定資産税等は地方税法に基づき1月1日の不動産の所有者が納税義務を負うことになっており、賦課期日後に所有者となった譲受人が固定資産税等の納税義務を負うものではないから、譲受人が譲渡人に支払った未経過固定資産税等相当額を租税公課そのものであるということはできない。(中略)当該未経過固定資産税等相当額は取得関連費用ではなく、狭義の購入の代価として取得価額に含まれるとするのが相当である。
売主側の扱い
未経過固定資産税を受け取った売主は、その金額を、不動産を売ったことによる譲渡所得の収入金額に含めます。
一方、売主がその年に支払う固定資産税は、売った不動産の取得費にはなりません。賃貸用など業務に使っていた不動産であれば、その年の不動産所得などの必要経費になりますが、自宅として使っていた不動産の場合は、どこにも差し引かれないことになります。
まとめ
| 業務用(賃貸用など) | 非業務用(自宅など) | |
|---|---|---|
| 不動産取得税・登録免許税 | 支払った年の必要経費 | 取得費に含める |
| 未経過固定資産税(買主) | 取得価額に含める | 取得費に含める |
| 未経過固定資産税(売主) | 譲渡所得の収入金額 | 譲渡所得の収入金額 |
土地と建物をまとめて買った場合の取得価額の分け方は、「土地建物を一括取得した場合の各取得価額」で解説しています。取得価額の按分や仕訳の計算には、当事務所の「不動産取得価額・税額計算シミュレーター」もご利用いただけます。
※記事の内容は、更新日時点の法令にもとづいています。実際の判断は、個別の状況によって変わることがあります。