所得税

税金の還付があった場合の収入計上時期|不動産所得

(更新 )

個人で賃貸経営をしている方が、税金の還付を受けた場合、その還付金は不動産所得の収入になるのでしょうか。税金の種類ごとに整理します。

この記事のポイント

  • 所得税や住民税の還付金は、収入に計上しません。
  • 消費税の還付金は、税込経理なら収入に計上し、税抜経理なら計上しません。
  • 固定資産税などの還付金は、事業的規模かどうかで扱いが変わります。

所得税

予定納税や源泉徴収された所得税が還付された場合、その還付金は不動産所得の収入に計上しません。所得税は、所得に対してかかる税金で、納めたときも必要経費になっていないからです。

還付加算金は雑所得

所得税の還付と一緒に「還付加算金」を受け取ることがあります。これは、納めてから還付されるまでの期間の利息のようなものですが、利子所得には当たらず、雑所得として申告します。

個人住民税

住民税は前年の所得にもとづいて課税されるので、通常は還付されることはありません。ただ、所得税の更正の請求などによって、納めすぎになって還付されることがあります。この場合も、所得税と同じく収入には計上しません。

消費税

消費税の還付は、経理の方法によって扱いが違います。

税抜経理の場合

税抜経理では、還付される消費税は「未収還付消費税」などの科目で処理されているはずです。還付金が入金されても「現金預金 / 未収還付消費税」となるだけで、収入には計上しません。

税込経理の場合

税込経理では、納めた消費税を必要経費にしているので、還付された場合は逆に収入に計上します。計上する時期は、原則として、還付の申告書を提出した日の属する年です。ただし、申告期限前に、還付される消費税を未収入金として計上した場合は、その計上した年の収入にしてもかまいません。

国税庁「消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて」より(抜粋)

8 所得税の課税所得金額の計算に当たり、税込経理方式を適用している個人事業者が還付を受ける消費税等は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入し、更正に係る税額については当該更正があった日の属する年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入する。ただし、当該個人事業者が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を未収入金に計上したときの当該金額については、当該未収入金に計上した年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入することとして差し支えない。

固定資産税・都市計画税

固定資産税は通常、還付されることはありませんが、市区町村の課税の誤りなどで、過去の分が還付されることがあります。この場合は、事業的規模かどうかで扱いが変わります(事業的規模の判断は「5棟10室基準って?」参照)。

扱い
事業的規模の場合 還付された年の収入に計上する
事業的規模以外の場合 その固定資産税を必要経費にした年の申告をやり直す
社長

事業的規模以外だと、過去の申告をやり直すのですか?ずいぶん手間がかかりますね。

税理士

事業的規模の場合は、事業が続くことが前提なので、還付金も事業の中で生じる収入のひとつとして、その年に計上します。

一方、事業的規模以外の場合は、過去に必要経費にした固定資産税が多すぎた、という考え方になるので、その年の申告を直すことになります。小規模な方ほど手間がかかるのは、たしかに悩ましいところです。

なお、還付された固定資産税のうち、自宅部分など、もともと必要経費にしていない部分は、収入に計上しません。

個人事業税

個人事業税も前年の所得にもとづいて課税されるので、通常は還付されませんが、更正の請求などで還付された場合は、固定資産税と同じように扱います。

事業的規模以外の不動産所得には、通常は事業税がかかりませんが、駐車場の貸付けなどで「駐車場業」とされ、課税されることもあります。ただ、事業税には290万円の事業主控除があるので、実際に過去の申告をやり直すケースは多くないでしょう。

まとめ

税金の種類 還付金の扱い
所得税 収入に計上しない(還付加算金は雑所得)
個人住民税 収入に計上しない
消費税(税抜経理) 収入に計上しない
消費税(税込経理) 申告書を提出した年(または未収計上した年)の収入に計上
固定資産税・都市計画税 事業的規模:還付された年の収入に計上
事業的規模以外:必要経費にした年の申告をやり直す
個人事業税 固定資産税と同じ

※記事の内容は、更新日時点の法令にもとづいています。実際の判断は、個別の状況によって変わることがあります。