前回、過去の申告書等をなくしてしまった場合などに利用できる「申告書等閲覧サービス」について、手続き方法や必要書類などについてお伝えいたしました。
今回は、相続税申告書や準確定申告の場合の閲覧申請手続きについてお話させていただきます。
目次
法人税や所得税の場合(前回)
法人税・所得税申告書の閲覧
本人申請の場合・・・申請書、本人確認書類
代理人申請の場合・・・申請書、委任状、印鑑証明書、本人確認書類
なお、印鑑証明書は申請日前30日以内に発行されたものが必要
帳簿や決算書は保存義務があるからなくすことはないだろうし、仮になくしたって会計事務所のほうでデータは保存されているだろうしな。
基本的に法人税や所得税で閲覧サービスを利用するのは、災害等で申告書等を紛失した場合を除けば、個人の方で手書きで申告書を作成している方くらいだと思います。
個人でも会計ソフトを使って申告書を作ってるんであれば、申告書自体なくしてもデータは残ってるもんな。
相続税申告書の閲覧
(注3) 共同で提出された相続税申告書については、共同で提出した納税者全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出した場合又は共同提出した納税者の一部から閲覧申請がなされた場合で、閲覧申請者以外の共同提出した納税者全員の委任状(実印(届出印)が押印されたもの(以下同じ)。)及び印鑑登録証明書(申請日前30日以内に発行されたものに限る。以下「印鑑証明」という。)の添付がある閲覧申請書の提出があったときに限り、当該申告書全体の閲覧に応ずることとし、閲覧申請者以外の共同提出した納税者全員の委任状及び印鑑証明の添付がない場合には、閲覧申請者及び委任状等を添付した納税者に係る情報と認められる部分(行政機関個人情報保護法第12条に基づく開示請求があった場合の開示の対象となる範囲に準じる。)のみの閲覧を認める。
国税庁HP 「 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針) 」より
なお、各納税者が各別に提出した相続税申告書については、当該申告書を提出した納税者からの閲覧申請(代理人による申請を含む。)に限り、閲覧を認める。
相続人の中には、平日の日中仕事がある人の方が多いんだから、こんなの無理だろ!
全員の委任状がない場合
亡くなられた方の生前の申告書の閲覧
他の相続人は賃貸不動産を相続してないんだから。
ですがこの場合でも、申請者以外の相続人全員の印鑑証明書と委任状が必要なんですよ。
賃貸不動産を単独相続してるんだから、他の相続人なんて関係ないだろう。
僕もこれで、他の相続人から印鑑証明取れなくて閲覧できなかったことありますよ。
(注5) 死亡した個人が生前に提出した申告書等については、相続人全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出した場合又は閲覧申請者以外の相続人全員の委任状及び印鑑証明を持参した一部の相続人が閲覧申請書を提出した場合に限り、閲覧を認めることとする。この場合には、死亡した個人と相続人全員の親族関係が確認できる戸籍謄(抄)本の提出を求める。
なお、相続放棄した相続人がいる場合には、相続放棄の事実を書面により確認する。この場合、相続放棄した相続人に係る委任状の提出は要しない。
国税庁HP 「 申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針) 」より
まとめ
・相続税の申告書の閲覧の場合、基本的に相続人全員の申請が必要。
・相続人の1人が閲覧申請する場合、他の相続人全員の印鑑証明と委任状が必要になる。
・委任状がない相続人については、その相続人が関係する部分の閲覧はできない。
・相続後の相続人の確定申告で、被相続人の確定申告書を閲覧する場合でも、申告が必要ない他の相続人の印鑑証明と委任状が必要となる。