小林税理士
今まで寄付金課税についてのお話をさせていただきましたが、今までお話しした寄付金は寄付金の種類でいうところの「一般寄付金」というものを前提としてお話させていただいておりました。
小林税理士
寄付金には他にもいろいろと種類があるので、今回は寄付金の種類について簡単にお話させていただきます。
目次
寄付金の種類
小林税理士
税務上の寄付金は、寄付の相手先に応じて以下のように分類されます。
種類 | 相手先 | 損金算入額 |
指定寄付金等 | (日本)国又は(日本の)地方公共団体、 日本赤十字社(財務大臣指定のもの)、共同募金会、日本学生支援機構(育英資金目的)じなど | 全額損金算入 |
特定公益増進法人等に対する寄付金 | 独立行政法人、日本赤十字社(上記以外のもの)、日本学生支援機構(上記以外のもの)、公益財団・公益社団法人、社会福祉法人など | 一部損金算入 |
その他の寄付金 (一般寄付金) | ・指定寄付金等及び特定公益増進法人等に対する寄付金に該当しない相手に対する寄付金 (例:町内会、近所のお寺や神社、政治団体など) ・低額譲渡や債権放棄などで寄付金認定されたもの | 一部損金算入 |
社長
特定公益増進法人等に対する寄付金も一部しか損金にならないんだな。
社長
相手先を見ると全額損金でも良さそうだけどな。
小林税理士
ええ。
でも、その他の寄付金と比べると損金算入限度額は多いんですよ。
でも、その他の寄付金と比べると損金算入限度額は多いんですよ。
社長
多いって言われてもイメージつかないな。
どれくらい損金になるか?(損金算入限度額)
小林税理士
じゃあ、具体例を挙げて計算してみます。
小林税理士
中小企業の社長さんたちが寄付金の限度額計算をするということはないと思いますので、計算方法の説明は省略させていただきます。
例)資本金500万円
会社の当期の所得金額(細かい計算は省略) 300万円
支出した寄付金 200万円
(内訳:特定公益増進法人:100万、一般寄付金100万)
限度額計算
特定公益増進法人等
500万×12/12×3.75/1000=18,750・・・①
(300万+200万)×6.25/100=312,500・・・②
損金算入限度額
(①+②)×1/2=165,625円
一般寄付金
500万×12/12×2.5/1000=12,500・・・③
(300万+200万)×2.5/100=125,000円・・・④
損金算入限度額
(③∔④)×1/4=34,375円
寄付金の損金不算入額
200万-165,625-34,375=1,800,000円
社長
200万も寄付して、20万しか損金にならないのかよ!
小林税理士
ええ。
一般寄付金の限度額は、上記の例では34,375円しか損金にならないので、低額譲渡とか債権放棄で寄付金と認定されたらほとんど損金にならないんじゃないですかね。
一般寄付金の限度額は、上記の例では34,375円しか損金にならないので、低額譲渡とか債権放棄で寄付金と認定されたらほとんど損金にならないんじゃないですかね。
社長
損金にならないってことは、要はその分所得が増えて税金も増えるってことだよな。
資金繰りだって悪くなるよな。
資金繰りだって悪くなるよな。
小林税理士
ええ。
それなんで、思わぬ寄付金課税を受けないために、どんな取引が寄付金課税になりやすいのかっていうのを社長さんたちも事前に知っておく必要があると思うんです。
それなんで、思わぬ寄付金課税を受けないために、どんな取引が寄付金課税になりやすいのかっていうのを社長さんたちも事前に知っておく必要があると思うんです。
社長
確かに、低額譲渡や債権放棄が寄付になるなんて普通は思わないからな。
知ってれば事前に税理士に相談して、余計な課税を防ぐことが出来るからな。
知ってれば事前に税理士に相談して、余計な課税を防ぐことが出来るからな。
小林税理士
ざっくりと内容を確認しておくだけでも違うと思いますので、過去の記事も参考に読んでいただくことをオススメします。