今回は、賃貸アパートなどの不動産を取得するに際して支払う仲介手数料についてお話させていただきます。
目次
仲介手数料の取り扱い
小林税理士
不動産購入の際の仲介手数料は、不動産を購入した時点では必要経費にならず、土地建物の取得価額に含まれます。
社長
でも賃貸の際に支払う仲介手数料は必要経費になるよな?
小林税理士
ええ。同じ仲介手数料でも賃貸の際に支払うものか、購入の際に支払うものかで取り扱いが変わってくるんですよ。
仲介手数料の取り扱い
・賃貸(店舗や事務所を借りる)の仲介に際して支払う場合
・・・全額必要経費に算入する
・不動産の購入に際して支払う場合
・・・不動産の取得価額に算入する
・不動産の売却に際して支払う場合
・・・全額譲渡費用に算入する
仲介手数料は土地と建物に按分する
社長
取得価額に入れるってことは、仲介手数料を土地と建物に分けるってこと?
小林税理士
はい。仲介手数料に土地と建物の内訳が記載されていれば、その金額を取得価額に入れます。
小林税理士
内訳がわからない場合には、合理的な方法で按分して土地と建物の取得価額にそれぞれ算入します。
社長
合理的な方法って?
小林税理士
前回お話しました土地建物を一括取得した場合の各取得価額の算定方法などによって按分します。
土地の取得価額に算入された仲介手数料は必要経費にならない
小林税理士
購入の際に支払った仲介手数料は、購入時の必要経費にはなりませんが、取得価額に含まれて耐用年数を通じて減価償却として必要経費になることになります。
社長
土地は減価償却出来ないだろ。
小林税理士
はい。
社長
じゃあ、土地の取得価額に含まれは仲介手数料はどうなるんだ?
小林税理士
必要経費になることはありません。
その土地を売却すれば、譲渡所得の取得費にはなりますけど。
その土地を売却すれば、譲渡所得の取得費にはなりますけど。
社長
それおかしくねーか?
社長
例えば、賃貸経営を始めるにあたってアパートを購入して仲介手数料払ったら、その仲介手数料って賃貸経営のための必要経費になるはずだろ?
小林税理士
税務上の理屈では、「賃貸経営のための仲介手数料」ではなくて、「不動産という固定資産を取得するにあたって付随する仲介手数料」なので、固定資産に含まれるという理屈なんです。
社長
そんなのただの屁理屈だろwww
じゃあ、そもそもその不動産はなんのために取得するんだよ。賃貸経営のためだろ!
じゃあ、そもそもその不動産はなんのために取得するんだよ。賃貸経営のためだろ!
社長
それが、賃貸経営をやめてその土地を売るまで必要経費(取得費)に出来ないってどうなの?
小林税理士
確かにそうなんですけど、そのあたりの取り扱いが変わらない限りどうにもならないんですよね。
取り扱いが変わるといいんですけどね。
取り扱いが変わるといいんですけどね。
まとめ
仲介手数料の取り扱い
・賃貸や売却の場合は、支払った年度の必要経費又は取得費となるが、購入の場合は、購入した不動産の取得価額に含めなければいけない。
・土地建物一括取得の場合に支払った仲介手数料は、土地と建物の取得価額に含める。
・建物の取得価額に算入された仲介手数料は、建物の耐用年数を通じて減価償却費として必要経費に算入される。
・土地の取得価額に算入された仲介手数料は、必要経費にならない。その土地を売却した際に、譲渡所得の取得費となる。